YahooのITP対応についての最終回です。今回はITP対応の心構えについてのお話です。特にインハウスの担当者として、一人で広告担当をされている方向けの内容になるかと思います。
というよりもインハウスの運用担当者さんへのエールというか、「あなたの辛さ、わかりますよ」という、心の叫びに寄り添う型投稿でお送りします。というのもITP対応の問題は、広告担当者が直面する課題を凝縮していると、僕は思っているからです。
ポイント
- システム担当者を味方につけておく
- 上司に理解してもらう(させる)
- 相談できる人を作る
この3つを軸に心構えと振る舞いを書いていきたいと思います
システム担当者を味方につけておく
WEB広告はテクノロジの領域でもある
ITPに限らずWEB広告を運用するにあたっては技術的な問題が付きまといます。
WEB広告は、なにはなくともまずはタグを設置しなければ始まりません。効果計測からリマーケティングまで、すべてはタグを起点として話が進んでいきます。その際、広告運用担当者がWEBページを触る権限を持っていない場合も多く、「ウチの会社は自分ではタグを実装出来ないんだよね」という方もいらっしゃるでしょう。その場合はシステム担当に依頼することとなる訳ですが、ここにコミュニケーションの齟齬が発生すると、いきなり出鼻を挫かれることになります。
私は広告業界に入る前は、数年エンジニアをしていましたが、システム部署vsその他の部署でコミュニケーションがうまく行っていないケースはたくさん見てきました。お互いの部署の事情を把握していない中で、「毎回勝手に依頼だけ投げてきやがって。こっちのことも考えろ」と心の中で舌打ちをしながら、サーバーの設定を変えつつ、複合機のトナー交換もしているといったシステム担当の方は案外多いものです。(つまり心の中を紐解くと、システム担当の方も運用担当の方も心情は似ていると言えるかもしれません)
WEBページに限らず、システム系統の至上命題は【安定稼働】に尽きます。エンジニアもまずはそこを一番に考えて動きます。特段トラブルがない限りは、必要以上にシステムに手を入れたくないというのがエンジニアの心情であることを理解してあげる必要があるでしょう。
そんななか、やっと設置したタグが「ちゃんと動作しない」というのは「あるある中のあるある」なので、そうなるともう一度舌打ちの嵐を掻い潜ってシステム担当者にお願いをしに行かなければなりません。
一口に言うのは簡単で恐縮ですが、まずはシステム担当の方に「WEB広告の重要性」を理解してもらい、気持ちよく動いてもらう為の土壌を作ることが重要です。「私はあなたを頼りにしています」という思いを、伝わるようにぶつけてみてください。
登場人物が多い場合は、そのマネジメントも必要
あなた「すいません、うちの通販サイトに新しいタグを・・・」
シス担「あー、ホームページ系は外注だから。ここに電話して〇〇さんって人に言ってよ。」
あなた「もしもし〇〇さんでしょうか?すいませんサイトに新しいタg・・・」
〇〇「あー、デザインはうちだったんですけど、バックエンド部分はサーバー屋さんにやってもらってて。確認しますね」
あなた「・・・」
〇〇「確認できました。対応可能とのことです。来月の請求で5万乗せさせてもらいますね、よろしくです」
あなた「・・・」
タグ設置自体は特別な環境でなければ案外単純な作業なのですが、登場人物が多いが為にハンドリングが出来なくなってしまうケースは多々あります。
「週末のキャンペーンに向けて新たにfacebook広告も始めたい!急いで運用を開始できるようにしてくれ!」といったオーダーがあった場合は、関係者とスケジュールをしっかりハンドリングしていないと致命的な事態に陥ります。
ベンダーコントロールも、システム部署が握っている場合が多いので、やはり関係の起点としてシステム担当者を味方にしておく必要があります。またベンダーとのやり取りは、電話対応がほとんどだと思います。電話の場合、こちらの温度感や緊急度が先方に伝わらないことが多く、対応が後回しにされてしまいがちです。ぜひ一度顔を合わせて挨拶をしておくことをお勧めします。やっぱり違いますよね、会ったことがある人と、そうでない人とでは。(プロならば、そこでバイアスがかかるのは言語道断なのですが、相手もやはり人間ですしね)
システム担当のベンダー訪問時にシレっと同行したりしてみましょう。道中コーヒーでも飲みながらタグの相談も出来て一石二鳥です。
(同じことはクリエイティブにも言えます。バナーやLPを外注に出している場合は、そことの関係性も密にしておきましょう)
上司に理解してもらう(させる)
鶴の一声の威力は絶大
当たり前ですが、社内を見渡せば皆それぞれ忙しそうにしています。自分の仕事で手がいっぱいで、他部署からの依頼は後手になりがち。
部長「おーい、運用君が困ってるからこっち先にやってあげて」
あなたがどんなに筆舌を尽くしても、この鶴の一声に敵わないことも多いでしょう。(悲しいですけど)
なんかビジネス自己啓発みたいで嫌ですけど、「上司を動かす」というのは重要なことです。
理解していない人間は動かない
WEB広告業界は横文字が多く用語も独特なので、携わっていない人にとってはとにかく解りづらいです。(業界独特の言い回しがちょっと鼻に付く、という人も少なくないはずです)
あなた「部長、わが社もITP対応が必要でして」
部長「何かねそれは」
あなた「appleのiOS 11.0/Safari 11.0から実装されたプライバシー保護、セキュリティ強化の為の動きでして、Cookie制御によってSafariブラウザ上にて「サイトを横断して情報を取得していると判断されたドメインのCookieが付与から24時間で無効となってしまい、CV計測に影響が出るため対応が必須です」
部長「・・・ パサッ(東スポ)」
これは無理もないです。あなたは真実を言っていますしね。余談ですが代理店と付き合いがある場合、これをちゃんと説明してくれと頼んでみましょう。代理店担当者ですら、解りやすく、かつ正しく説明出来る人、案外少ないと思いますよ。
平易な言葉を用意し、影響にフォーカスする
嘘も方便とは言いませんが、重要なのは説明を受ける側の納得感です。
技術的な説明は最小限にとどめ、どんな影響があるか、どんな意味があるかを伝えられる平易な言い回しを用意しておきましょう。
ちなみに僕がITPってなに?と聞かれた場合は「あぁアレね、リンゴがやってるクッキーのアレですわ」と答えます。
それよりも、
- せっかく広告費を投下している自社のマーケティングの精度が悪くなる
- 有望な見込み客を逃さない為に、時流に対して先手を打ちたい
- まだ対応出来ていない会社もある。うちの会社はそこを押さえておきたい
といった説明(説得)をするでしょう。
ターゲティングやCV計測、リマケという単語は使わずに影響や意味にフォーカスして納得してもらうようにします。納得感は人によってそれぞれです。あなたの上司に一番響く言い回しを用意しておくことをお勧めします。
影響度という点では数字、とりわけお金の話をするのも有効です。事業会社への単純な置き換えは出来ませんが、ITPのあおりでCretioという会社の株価が300億円ほど吹き飛んだ話などは影響の大きさを感じてもらうフックに使えるかもしれません。
safariのcookieポリシー変更により、Criteoの株価が約300億円吹き飛ぶ
相談できる人を作る
僕は広告代理店の社員ですので、ちょっとした雑談やランチで、相談をしたり、アイディアを出し合うことも来ます。広告運用で困ってしまい、社内に相談できる人がいないのなら、代理店に相談するのは絶対にアリです。
そこで金の話しかしないようならサッと引けばいい。孤立した状況は、悪くなることはあっても良くなることはありません。
このデジオデジコというメディアを通して、本当に相談ベースのお問い合わせもたくさん頂きます。もちろん全てに最高のノリとバイブスと誠実さで対応させてもらいます。困ったことがあったら、ぜひデジオデジコから相談のつもりでご連絡ください。(まぁこれは営業ですけど笑)
それでは!
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