流通業者や卸売企業を介さず、店舗やブランドが直接ユーザーに商品を販売するビジネスモデル「D2C」。事業者にとってメリットが多く、最近では多くの企業がD2Cに取り組んでいます。
そんなD2Cの成功には、SNSの活用が欠かせません。特に、画像や動画を通してユーザーに商品のイメージを伝えることができる、そしてさまざまな機能が無料で利用できるInstagramは、D2Cとの相性は抜群だといわれています。
本記事では、D2CにInstagramの運用が重要だといわれている理由を解説するとともに、具体的な活用方法やInstagramを活用したD2C事例をご紹介。InstagramとD2Cの関係性について理解し、ビジネスを成功させましょう。
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InstagramとD2Cの関係性
まずは、D2Cの言葉の意味や、Instagramとの関係性について簡単に説明します。
D2Cとは
D2Cとは「Direct to Consumer」の略称で、店舗やブランドが直接ユーザーに商品を販売するビジネスモデルのこと。商品の企画や開発以外にも、PR施策や販売、リピート施策まですべての工程をメーカーが行います。
流通業者や卸売企業を介していないことが最大の特徴で、その分、コストを削減できるため収益性が高い、プロモーションの自由度が高い、メーカーが直接ユーザーの声を聞けるなどのメリットがあります。
InstagramとD2C
さまざまなメリットがあるD2Cですが、その一方で顧客を獲得しにくいのがデメリットです。流通業者や卸売企業を介していないため、メーカーが直接顧客とつながる必要があり、実際に顧客の獲得に苦労している店舗やブランドは多くあります。
そんな課題を解決できるのが、InstagramをはじめとするSNSの運用です。ユーザーと直接コミュニケーションを取ることが可能なSNSは、顧客との接点が重要視されるD2Cに向いているといえるでしょう。
中でも画像や動画をメインとし、ブランド理念や商品のイメージ、ストーリーなどを訴求しやすいInstagramは、D2Cとの相性は抜群です。次の章では、InstagramがD2Cの成功に重要だといわれている理由をより具体的に解説します。
D2CにおいてInstagramが重要な理由
InstagramがD2Cの成功に重要だといわれている理由は、以下の4点。
- ユーザーとのコミュニケーションが取れる
- ブランドや商品を画像で訴求できる
- お金をかけずに認知を獲得できる
- UGC（口コミ）を活用して多くの人にアピールできる
それぞれ詳しく解説していきます。
ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
Instagramは、DM（ダイレクトメッセージ）やコメントを通して店舗や企業がユーザーと直接コミュニケーションを取ることが可能です。そのため、顧客のリアルな声を獲得できる、親近感を持たせやすいなどのメリットがあります。
また、ミレニアル世代との接点を持ちやすいのも、Instagramを活用するメリットといえるでしょう。ミレニアル世代とは1981〜1996年頃に生まれた世代のことで、学生時代から生活の一部としてSNSを利用してきた世代のこと。
ミレニアル世代は日頃から頻繁にSNSを利用しているため、その世代をターゲット層とするD2Cブランドにとっては、SNSを活用しない手はないのです。
ブランドや商品を画像で訴求できる
Instagramは、画像や動画をメインコンテンツとするSNSです。文章だけでは伝わりにくいブランド理念や商品のイメージ、ストーリーなどを訴求しやすく、ユーザーの共感を得ることが重要なD2Cとの相性は抜群といえるでしょう。
さらに、Instagramは独自の世界観を作り込みやすく、ロイヤリティ（企業ブランドや商品に対する愛着や忠誠のこと）を高められるという特徴があります。リピートしてもらいやすいという意味でも、InstagramはD2Cに向いているといえるのです。
お金をかけずに認知を獲得できる
流通業者や卸売企業を介さないD2Cは、成功のためには認知の獲得が欠かせません。自社の集客力やPR力が売上にかかっているといっても過言ではないでしょう。
そこで活用できるのが、Instagramに装備されているさまざまな機能です。Instagramには、アンケート機能やクイズ機能、ライブ機能、リール機能など、さまざまな機能が用意されています。さらにこれらの機能はほとんどが無料で利用できるため、コストをかけずに多角的なプロモーションを実施できるというメリットがあります。
UGC（口コミ）を活用して多くの人にアピールできる
Instagramには、UGCを活用できるというメリットもあります。UGCとは「User Generated Contents」の略で、いわゆる一般ユーザーが投稿する口コミのようなもののこと。企業やブランドが用意した投稿と比べ、客観性が高いのが特徴です。
UGCを上手く活用すれば、ブランド側がコンテンツを用意する手間が省けるだけでなく、「広告っぽさ」をなくして商品やサービスを宣伝することができます。
D2C成功に導くInstagram活用方法
これまでInstagramがD2Cにとってなぜ重要なのかを説明してきました。ここからは、D2Cを成功させるために、Instagramをどのように活用していけばいいのかを具体的に解説します。
ターゲットを明確にする
Instagramの運用で重要なのは、ターゲットを明確に決めておくことです。性別や年代、どんな生活スタイルをしているかなど、できるだけ具体的に決めると良いでしょう。
運用を行う前にターゲットを明確にしておくことで、ターゲットに合わせたコンテンツを発信できます。反対にターゲットが定まっていないと、コンテンツ内容がブレてしまい、何を伝えたいアカウントなのか迷走してしまう可能性があります。
ユーザーの意見を反映させながら最適化する
Instagramには、ユーザーのリアルな声を直接聞けるというメリットがあります。客観的な意見をもらって初めて気づく課題や問題もあるでしょう。ユーザーから届いた意見はきちんと受け止め、コンテンツ内容に反映させながらアカウントを最適化することが重要です。
ユーザーの意見を反映させることで新たなユーザーの獲得につながり、フォロワー数の増加が期待できます。
定期的に更新する
Instagramは運用を続けていくことで徐々に効果を実感できるようになるため、できる限りアカウントを放置せず、運用し続けることが重要です。2日に1投稿、週に2投稿などと目標を定め、無理のないペースで投稿し続けましょう。
また、定期的に更新するためには社内の体制を整えることも大切。D2Cはほとんどの作業を社内で行うため、多くの工数を必要とします。社内のリソースが足りない場合は、Instagramの運用は代行業者に委託するのも1つの手です。
ECサイトへの導線をしっかりと作る
Instagramを運用する際には、ECサイトへの導線を作ることも意識しましょう。Instagramを通してせっかく商品やサービスに興味を持ってもらっても、購入できるサイトへ飛べなければ機会損失につながります。
実際、Instagramの投稿やストーリーズからECサイトにリンクし、商品購入まで進むユーザーは少なくありません。Instagramの投稿はURLが貼れないため、プロフィールにECサイトのリンクを貼っておき、投稿からプロフィールへ誘導する方法が一般的です。ストーリーズにURLを貼っておき、ハイライトにまとめておくのもおすすめです。
ハッシュタグを付与して投稿する
フィード投稿の際には、ハッシュタグを活用しましょう。ハッシュタグは、シェア機能のないInstagramにとって、投稿の認知拡大を目指すために欠かせない機能です。実際に、ハッシュタグの数や付け方を変えただけで、反響が10倍以上違ったという例も少なくありません。
1つの投稿に対して付与できるハッシュタグの数は、最大30個。投稿数が多いビッグワード以外にも、投稿数が1,000〜10,000件くらいのミドルワードや、投稿数100件程度のスモールワードのハッシュタグを付けることで、いいねやフォロワーの増加に期待できます。
口コミ（UCG）をうまく活用する
Instagramを活用してD2Cを成功させるためには、口コミ（UCG）の活用も欠かせません。口コミによって一般ユーザーに商品を宣伝してもらい、拡散や売上アップ、フォロワーの増加を狙いましょう。
ただし、InstagramでのUGC活用は簡単ではありません。自社オリジナルのハッシュタグをしたりインフルエンサーを活用したりするなどして、少しずつ最適化していきましょう。
Instagramを活用したD2C事例
最後に、Instagramを活用したD2Cの事例を紹介します。これからInstagramの運用を始める方はぜひ参考にしてみてください。
DUO
「クレンジングバーム」で有名な「DUO」は、プレミアアンチエイジング株式会社が運営する化粧品ブランドです。
そんな「DUO」では、インフルエンサーを通じたUGCやアフィリエイトを活用したマーケティング施策を積極的に行っています。インフルエンサーに商品の特徴や使い心地を説明してもらうことで、実際に大きな宣伝効果を得ました。
また、一度に多くのインフルエンサーを起用することで、「Instagramで流行っている商品」というブランディングにも成功しています。
北欧、暮らしの道具店
株式会社クラシコムが運営するECサイト「北欧、暮らしの道具店」。Instagramでは120万人を超えるフォロワーを獲得している人気アカウントです。
「北欧、暮らしの道具店」の特徴は、クオリティの高いコンテンツを提供し続けていること。独自の世界観を作り込むことで多くのファンを獲得した事例といえます。
投稿1つ1つにはいわゆる「広告っぽさ」は感じられませんが、プロフィールにはしっかりサイトへの導線を設置し、ECサイトの売上につなげています。
BASE FOOD
画像：BASE FOOD(ベースフード)｜Instagram
完全食のパンやパスタで知られる「BASE FOOD」。インフルエンサーやモニターを活用し、多くの口コミが広がったことで一気に認知度を高めました。
Instagramのフィード投稿に、商品のアレンジ方法などのユーザーが知りたいコンテンツを載せているのも、多くのファンを獲得している理由の1つでしょう。
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まとめ
流通業者や卸売企業を介さず、店舗やブランドが直接ユーザーに商品を販売するビジネスモデル「D2C」。そんなD2Cの成功には、InstagramをはじめとするSNSの活用が欠かせません。
Instagramには、ユーザーとのコミュニケーションが取りやすい、ブランドや商品を画像で訴求できる、お金をかけずに認知を獲得できる、UGC（口コミ）を活用して多くの人にアピールできるなどのメリットがあります。そのため、認知度やロイヤリティを高めることが重要なD2Cとの相性は抜群です。
本記事で紹介したInstagramの活用方法や事例を参考にして、D2Cビジネスを成功させましょう。
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