キーワード・クリエイティブ精査はリスティング広告運用者の基礎中の基礎ですが、基礎だからと言っておろそかにしてはいけません。ABテストなどを繰り返しながらパフォーマンスを上げていくことは大事です。今回は精査で成功した事例について書きます。
地方から首都圏へのEC事例
今回の事例は札幌の老舗製菓店Z社の事例についてお話ししたいと思います。Z社の人気お菓子のクッキーを首都圏に向けてEC販売したいということで、リスティング広告を通して販促していくことになりました。
今回のCV(コンバージョン)は『購入と会員登録』に設定しました。今回のサイトは会員登録しなくても購入できるタイプのサイトでしたが、会員登録もCV設定しました。
CV設定の際に「会員登録は売り上げにならないからCVを設定する意味はなくない?」と思われる方もいらっしゃるのではないかなと思います。
CVの意味は『webサイトの成果』です。webサイトの成果というのは、必ずしも売上に直結する必要はありません。戦略的な価値があれば、それらは全てCVになります。例えば、BtoB企業なら資料請求やお問い合わせなどです。
会員登録も現在は利益を生み出してはいませんが、将来的には購入するという意思の現れですので、利益を生む可能性があります。なので、大きな価値が存在するので十分『成果』と言えるのでCVに設定することにしました。
送料を考えたキーワード精査
今回EC販売をする中で大きなネックになったのが送料です。Z社は北海道の素材にこだわりを持ち、今回のクッキーも北海道からの配達ですので、送料が高くなってしまい、購入までの大きなハードルになってしまいました。
興味を持ってクリックしてくれた人たちも送料で購入を止まってしまうと考え、キーワード精査をすることにしました。通常、クッキーを販売するのであれば少しでもクッキーに興味がありそうな人が検索するであろうキーワードに絞りました。
例えば『クッキー』などのリーチが広く、いろんな人が検索するキーワードなども試しながら、CPAを下げていきますが、今回は購入までのハードルが高いので、特に購入意欲や潜在意思が高い人が検索するキーワードに絞りました。
指名系キーワードや北海道に関するワードを中心にまとめ、ユーザーの検索語句などを見ながら精査していきました。指名系キーワードは商品や会社に興味がある人たちなので、少しでも後押しがあれば買ってくれる確率がとても高いので絶対に手放してはいけません!
指名系キーワードとは「会社名」「サイト名」「サービス名」「商品名」等に関するキーワードのことです。これらのキーワードで検索してくる人は少なからず名前を知っていて、興味を持ってくれている人たちです。そんな意欲の高いユーザーが検索する為、CVにつながりやすいです!
指名系キーワードが果たす役割
リスティング広告業界に慣れてくると『指名系キーワードって買う意味あるの?指名系はそもそもオーガニック(自然検索/広告以外の通常の検索結果こと)でクリックしてくるのだから広告を出す必要はないんじゃない?』と疑問に感じる方もいると思います。
検索結果はご存知の通り、リスティング広告が上部に表示され、その次にオーガニック検索が表示されます。
もしここで競合他社が自分の会社のキーワードでオークションに参加していた場合、自社にくるはずだったユーザーが他社の広告をクリックすることで、折角コンバージョン可能性が高いユーザーを他社に奪われてしまう可能性があります。
今回は弊社『ワンクルーズ』で検索しました。ワンクルーズと他社の検索広告が出てきました。今回は他業界の広告なので、顧客を奪われる可能性はありません。もしこれが同業種の広告だった場合、顧客を取られる可能性が大きくあります!(と言いつつワンクルーズの広告は出てないですが)
そんなことにならないようにする為にも指名キーワードを配信し『画面占有率』を高めていく必要があります!
スマホの検索結果だと広告が一つ配信されるだけで検索結果画面がこんなにも占有されてしまいます。これだとユーザーの大半はリスティング広告に目がいってしまい、どんなにSEO対策して、1位表示を保っていてもユーザーの流出は避けられません。
検索結果1位を保ち、指名系キーワードで広告を配信することで画面全体を占有することでユーザー取りこぼしを防ぐことができます。
悪質な場合だと他社の「社名」や「商品名」でキーワードを買い付けている場合があり、積極的に顧客を奪い取りにきている場合もありますので気をつける必要があります。(品質スコアが低くなるのであまり良い成果は出せませんが、それでも買う会社がいます)
お菓子メーカーのZ社の場合は特に商品名内に含まれる『クッキー』というキーワードに反応し、善意悪意関係なく多くの広告が配信されますので、指名系キーワードで流出を防ぐ必要があります。(悪意的な他社の指名買いではないと信じたい!)
広告文の精査
リスティング広告では当たり前ですが、キーワード選択とクリエイティブが大切です。
今回の汎用キーワードは先程も書きましたように、北海道系キーワードを主軸に集めたものにしていたので、それに沿って広告文も作成しました。
食品系などで他県への広告配信では県の特色をうまく追加する事でクリック率が伸びることがあります。
今回のZ社の中では様々なクリエイティブを試しましたがこのような結果になりました。
広告の結果は配信地域や季節、ターゲティングによって結果は大きく変わりますが、今回は北海道系キーワードにしぼって配信したこともあり、『北海道』という単語を見出し部分に追加し、素材の良さをアピールした文章を含めて書いたものが良いクリック率になりました。
ユーザーは流し読みをするので文章を見てくれることは大抵の場合ありません。なので、クリエイティブを作る際に魅力的なキーワードを目立つ場所に差し込むのがとても大事です。
FB広告などの場合はF読みに沿って大事なキーワードを差し込むとクリック率が上がるなど諸説ありますが、リスティング広告の場合は書ける文章量がとても少ないので、文章の先頭に大切なキーワードを差し込むことを心がけて書くとユーザーに伝わりやすい文章が書けます。
画像右のCTRが低いクリエイティブでは、見出しの先頭部(一番目立つところ)に大切なキーワードがうまく差し込まれておらず、魅力をうまく伝えられておりません。
『口どけサクッ優しい味わい』という食べた時のイメージを掻き立てる表現は今回はうまくユーザーに刺さりませんでしたが、毎回刺さらないというわけではないので、予想を立てながら色々なクリエイティブを試していくことがとても大切です!
まとめ
今回の事例は北海道の老舗お菓子メーカーでした。都市部でも通用するほどのブランド力でしたが、送料の問題もあり、ユーザーの購買意欲が低めの検索キーワードではうまく成果につながりませんでした。
そこで、検索語句やサポートツールなどを使いながら、意欲が高いユーザーに絞ることに注力しながらリスティング広告を作成しました。
これはKPIにもよりますが、他の事例でも当たり前のことです。リスティング広告は基礎を疎かにしては良い結果は生まれません!
キーワードにより、ユーザーの意欲がどれくらいなのかを考えながら、競合が買いに来るキーワードを避け、スモールワードを買うのか、あえてビッグワードを買うのか、自社ブランドにしか当てはまらないようなキーワードは何か、と日々考えながら精査していくことが、良い結果につながると思います。
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