リスティング広告を運用していると、地名や商品種類などが多いアカウントを見る事があります。そのまま広告文と検索キーワードを合致させようとすると多くの広告グループやアカウントを作成することになってしまいます。
そうしてしまうと、運用に忙殺されてしまいます。さらに言えばアカウント設計の面で考えても最適化されていませんので良い結果が出ません。今回はそんな事例について書きたいと思います!
今回の事例は札幌発の婚活イベントを主催しているD社様の事例です。D社は札幌からイベントを始め今現在、全国展開をしています。リスティング広告など各種広告を自社運用されていましたが、なかなか思うような成果が出せず、弊社で広告運用することになりました。
アカウント作成時の罠
今回はAdWordsをメインに運用しました。D社様は新規顧客を増やしたいと考えていました。D社がインハウスで運用広告をしていた頃のデータをもとに検索広告・ディスプレイ広告共に目標CPAを5000円に設定しました。
検索広告では自社運用していた頃にCVが取れていたキーワード(KW)を中心に、全国各地の地名KWと婚活KWで掛け合わせたキーワード構成で作成し、広告文は文章内に地名を差し込みローカルに沿った文章を作成しました。
D社は全国展開をしているので、地域に沿ったKW出しや、文章で広告をまとめあげるとなると、広告グループやキャンペーンは何十個にも膨れあがってしまいます。
確かにそのやり方では大味な全国配信の文章よりもユーザーの興味を引きやすくクリック率は高くなりますが、アカウントを何個も作っていては、管理に忙殺されてしまいますし、何と言ってもアカウントがうまく【最適化】されません。リスティング広告で大切なことの一つにアカウントを最適化させるということがあります。
アカウント最適化とは
リスティング広告は運用していく中で、自分で調整をかけられる部分が多く、どうしていいかわからないという方が多いと思われますが、運用していく中で、大切なことが1つあります。それはアカウントを【最適化させる】ということです。
もっと簡単にいうと【グーグルさんが学習できる環境を作り、気持ちよく広告を配信してもらう】ということです。
これは言葉にしてしまえば簡単ですが、なかなか難しいことです。『AIの進歩は目覚ましい』なんて話がニュースで多く取り上げられていますが、GoogleのAIの能力もとても素晴らしいものです!
確かにクリエイティブの部分などではまだ人間に勝てない部分もありますが、人間が考えていることは、大抵Googleさんはもうすでに考えてしまっています。
例えば、「クリック率は男性の方が高いけど、女性の方がCPAが低いから女性に多めに配信しよう!」なんてことは、Googleさんはとっくに考えた上で配信を最適化しています!
なので、先ほども言いましたが、リスティング広告を成功に導くには、Googleさんが最適化をかけやすい状態を作り上げることです。しかし問題なのが『最適化の定義が少しずつ変わってきている』ということです。
例えば、一昔前には『1広告グループ1キーワード』のアカウント設計が流行っていました。1広告グループ1キーワードが何故流行ったかというと、「検索キーワード毎に最適な広告文を表示することが最も良いパフォーマンスを生み出される。」と言われていたからです。
しかし現在は、「それでは最適化できない」と言われています。(バッサリ否定されてますね笑)これは何故否定されたかというと、現在のGoogleの学習は各広告グループ事でしか行われてないと言われています。なので、複数の広告グループを作成してしまうと学習が分散されてしまい、上手くGoogleが最適化されないので、現在は推奨されていない手法です。
なので、現在は広告グループを用途に合わせ少数に抑えるのが最適です。
というように、時代にあった最適化を目指すことが大切です。今回のD社のアカウント設計では現在推奨されている設計とは違う形式であったので、設計から見直すことにしました。
広告カスタマイザの活用
D社は全国展開のイベントを運営していたので地方KWを使用したり、ローカルに寄り添った広告文を残したまま広告グループを減らすために、『広告カスタマイザ』を活用することにしました。
広告カスタマイザを使うことで、広告文を動的に変更することができます。
Googleヘルプには広告カスタマイザについて下記のように説明しています。
『広告カスタマイザを使うと、ユーザーが何を検索しているか、どのような端末を使っているか、ユーザーの場所、あるいは日付、時間帯、曜日などに合わせて、テキスト広告を調整することができます。価格やセール終了までの期間など、希望するテキストを自由に挿入できます。』
広告カスタマイザには大きく分けて2つ出来ることがあります。①キーワード毎に広告文を用意できる。②広告文内にカウントダウン表示を入れることが出来る。の2つです。
① の機能を使うことで今まで地方KW毎に用意していた広告文を1つに統一することができます!
例えば、今までは『札幌 婚活』で検索した場合と『東京 婚活』で検索された場合に合わせて、広告グループを分け広告を2つ用意する必要がありましたが、広告カスタマイザを使用することで1広告グループ1広告文で問題なくなりました。
{=custom.○○○}が広告カスタマイザになります。広告カスタマイザを事前に設定することで、検索KWに対応した表示に変えることが出来るので、この場合だと札幌と東京のパターンの2つの広告文を用意する必要はありません。これで全国展開の広告でも1つの広告文で対応できるようになります!
② は今回は使用していない機能ですが、とても使える機能です。Amazonの広告なんかでよく見ます。
『セール終了まであと2日』と表記されていますがこれは毎日広告文章を変えているわけではなく、セール終了日に向けてカウントダウンを自動でしてくれる関数を使用しているのです。
こんな表記を見ちゃったらユーザーも広告をクリックしたくなりますよね!!
今回の事例では広告カスタマイザの①の機能を上手く使うことで、大幅に広告グループを減らし、学習の最適化を測ることができました。
指名検索も広告カスタマイザなどの機能を使う事で上手く学習の最適化がかかる状況を作り出すことで、CV率はなんと『20%』まで上げることに成功しました。
広告効果測定ツールの導入
今回の事例では広告測定ツールの導入も行いました。リスティング広告の運用でのツールと言えば『グーグル アナリティクス』を思い浮かべるかも知れませんが、アナリティクスは所謂『アクセス解析ツール』であり、『広告効果測定ツール』とは少し違います。
アナリティクスなどのアクセス解析ツールでは、ユーザーのアクセスデータを解析することで、Webサイトに来たユーザーの情報や傾向を把握でき、ユーザーがどのような行動をとったのかを把握できます。
Wbサイトの導線がユーザーにとって利用しやすいものとなっているか、ユーザーが求めている情報を十分に提供できているか、という様な分析ができます。つまりは『Webサイト解析ツール』ですね!
それに対し広告効果測定ツールとは、各種広告の効果測定を目的としたツールのことです。 広告の表示回数からクリック率、CV率などを測定できます。広告効果測定により、インターネット広告を利用したネットプロモーションの効果を詳細なデータで把握することができます。
AdWordsはそもそもクリック率等の数値が測定されるので必要ないと考えてしまうかも知れませんが、重複コンバージョンや、「バナー広告を見た後に検索広告をクリックし、その後バナーでコンバージョン」などの場合の間接効果測定など通常の測定機能では把握しにくい部分まで、正確に分析できるのが広告効果測定です。
要は、アクセス解析ツールが『Webサイトの分析ツール』。広告効果測定ツールが『広告の詳しい分析ツール』という事ですので、互いの分析範囲が違うのです。ケースによって分析ツールを使い分ける事が大切です。
まとめ
今回の事例で活躍したのが主に『学習の最適化』をかける事と、『広告効果測定による詳細な分析』の2点が大きいと思われます。広告効果測定に関しては複雑な広告キャンペーンの際に大きく力を発揮するので、全ての事例で大きな結果を残すことはなかなかありませんが、上手く活用する事で大きな武器になります。
結果として、当初の目標としては、新規顧客獲得でCPAは5000円でしたが、『検索広告はCPA3750円(25%削減)』『GDNではCPA1250円(75%削減)』まで下げることに成功しました。
ちなみに、指名検索ではCV率『20%』のCPA【200円】まで下げる事ができました!!指名検索はリピート客の割合も多くKPIとは少し違いますが。とても素晴らしい成果です。
リスティング広告業界は変化の激しい業界なので、最適が最適じゃなくなるスピードも速く、常に最新情報を集める事がとても大切になります。
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