LINE(運用)

LINEの開封率を上げるコツ|業種別おすすめ配信曜日・時間も紹介

月間利用ユーザー数9,500万人を誇るメッセージアプリ「LINE(ライン)」。日常のコミュニケーションツールとしてはもちろん、ビジネスでも活用している企業や店舗を多く見かけるようになりました。

しかし、従来の集客方法であるメルマガやDMなどを活用してきた方にとっては、「LINEって顧客の開封率は良いの?」「メッセージがちゃんと読まれているのか不安…」という疑問や不安も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、LINEの開封率の求め方やメルマガとの比較を解説するとともに、開封率を上げるコツを紹介します。業種ごとの配信効果の出やすい曜日や時間帯も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

LINE公式アカウントの開封率とは

そもそも、LINE公式アカウントの開封率とは何を意味するのでしょうか。求め方やメルマガとの違い、重要性について解説していきます。

開封率の求め方と平均

LINE公式アカウントの開封率とは、メッセージやメールが送信された後に、受信者がそのメッセージやメールを開封した割合を示す指標です。以下の方法で求められます。

開封率(%)=メッセージを開封したユーザー数÷メッセージを送信したユーザー数×100

例えば、1日に500人のユーザーにLINEでメッセージを送信したとしましょう。その日に開封したユーザー数が50人、その後1週間以内にさらに20人のユーザー数が開封したとすると、

即日開封率=50÷500×100=10%

1週間開封率=(50+20)÷500×100=14%

となります。

LINE公式アカウントとメルマガの開封率の違い

「顧客にメッセージを送信する」という意味では、LINE公式アカウントは従来の集客方法であるメルマガには大きな違いはありません。

しかし、一般的なメルマガの開封率はわずか3%といわれているのに対し、LINE公式アカウントの開封率はなんと60%。この数値だけでも、LINE公式アカウントがどれだけ効果的か分かるでしょう。さらに、メルマガは迷惑メールに自動的に振り分けられてしまいそもそも受信に気付かないユーザーもいますが、LINEではほとんどのユーザーが受信に気付きます。

これまで活用していたメルマガをLINEに移行するだけでも、開封率をグッと上げることができるのです。

なぜ開封率を上げた方がいいのか?

開封率は、配信されたコンテンツが受信者にとって興味深いかどうかを測る指標として機能します。高い開封率を維持し続けられれば、それだけユーザーにブロックされる可能性も低くなるのです。

また、開封率が高ければ、その後の行動への影響も高まります。例えば、Webサイトへの訪問や製品の購入などのコンバージョン率が向上する可能性があります。

これらの理由から、マーケティングにおいて、開封率を高くキープすることが重要だということが理解できるでしょう。

開封率を上げるコツ

LINE公式アカウントの開封率を上げるためには、以下の施策が効果的です。

  • 業種ごとに時間帯を変える
  • 絞り込み配信を利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

業種ごとに時間帯を変える

LINEで送信したメッセージを読んでもらうためには、ユーザーに読まれやすい時間に配信することが重要です。ユーザーが情報を欲しているタイミングで適切な情報を提供することができれば、開封率はさらに向上するでしょう。

ここからは、業種ごとの配信効果の出やすい曜日・時間帯を紹介します。

①飲食関係

飲食関係の業界の場合、特に食事の時間帯や特定のイベントに合わせた配信が効果的です。

例えば、ランチタイムやランチセットの提供をアピールする場合は、平日の昼食前(10〜11時)に配信することが効果的です。「今日のランチは何にしようかな」と考え始める時間帯を狙えば、店舗への来店を見込めるでしょう。

また、お酒を提供するお店の場合、金曜日の就業時間前(16〜18時)を狙うのがおすすめです。特に忘年会や新年会などのイベントが多い時期だと、お店を探しているユーザーも多く、大人数の集客が期待できます。

②ファッション・コスメ関係

ファッション・コスメ関係の業界の場合、仕事や家事で忙しい時間帯に送信してもゆっくり読んでもらえません。ターゲットの生活スタイルを想像して、「比較的余裕のありそうな時間」を狙うようにしましょう。

会社員をターゲットにしているのであれば、平日のランチ後(12〜13時)や夜(22時以降)などが効果的です。いわゆる「ネットサーフィン」をしているユーザーが多く、見てもらえる可能性が高まります。

また、専業主婦や育休中・産休中の女性をターゲットにしている場合、家事が一段落したタイミングや子どもが寝ている時間(平日の午後や深夜など)がおすすめです。

③ビジネス関係

ビジネス関係の業界では、情報収集が行われる時間帯に配信することが効果的です。

特におすすめなのが、月曜日〜水曜日の午前中。週の始めで仕事モードになっている人が多く、セミナーの申し込みやツール・アプリのダウンロードをしやすい傾向にあります。

一方、週の後半になってくると疲れてきて、土日に向けてレジャーやイベントを検索する人が増えるため、大きな効果が期待できません。

絞り込み配信を利用する

LINE公式アカウントの開封率を上げるためには、絞り込み配信を利用するのもおすすめです。

絞り込み配信とは、属性や「オーディエンス」によってユーザーをセグメント分けして、それぞれのユーザーグループに合わせたメッセージを配信する機能のことです。よりパーソナライズされたメッセージを送れるため、開封率が上がる傾向にあります。

ここからは、LINE公式アカウントで利用できる2つの絞り込み機能を見ていきましょう。

①ユーザー属性で絞り込む

LINE公式アカウントでは、以下の5つの属性でユーザーを絞り込むことができます。

属性 絞り込み可能な範囲
お友だちの期間
  • 6日以下
  • 7〜29日
  • 30〜89日
  • 90〜179日
  • 180〜364日
  • 365日以上
性別
  • 男性
  • 女性
年齢
  • 14歳以下
  • 15〜19歳
  • 20〜24歳
  • 25〜29歳
  • 30〜34歳
  • 35〜39歳
  • 40〜44歳
  • 45〜49歳
  • 50歳以上
OS
  • Android
  • iOS
  • Windows  Phone
  • BlackBerry
  • Nokia
  • Firefox
地域
  • 47都道府県
  • 地方(北海道・東北・関東・甲信越・北陸・東海・関西・中国・四国・九州・沖縄)

また、これらの属性は併用することができます。例えば、

  • この1カ月以内にお友だち登録してくれた東京都に住む20代の男性
  • 1年以上お友だちになってくれている30代以降のすべてのユーザー

というように、大小問わずユーザーグループを作成することが可能です。

オーディエンスで絞り込む

LINE公式アカウントでは、「オーディエンス」と呼ばれるセグメントを作成することで、それを絞り込みの条件にすることも可能です。オーディエンスは、全部で8つの要素に分けられます。

  • アップロード
  • メッセージクリック
  • メッセージインプレッション
  • チャットタグ
  • 友だち追加経路
  • ウェブトラフィック
  • リッチメニュークリック
  • リッチメニューインプレッション

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アップロード

アップロードは、管理者がLINEユーザーのID(「LINE ID」とは異なる識別番号)をアップロードしてユーザーグループを作成するやり方です。

■アップロードの手順

  1. LINE公式アカウントの管理画面にログインする
  2. 「ホーム」内にある「オーディエンス」を選択する
  3. 「作成」をクリックする
  4. 「オーディエンスタイプ」で「アップロード」を選択する
  5. オーディエンス名を設定する
  6. ファイルをアップロードして「更新」をタップする
メッセージクリック

メッセージクリックでは、過去に配信したメッセージ内のリンクをクリックしたユーザーを絞り込んでメッセージを送ります。

■メッセージクリックを利用してオーディエンスを作成する手順

  1. LINE公式アカウントの管理画面にログインする
  2. 「ホーム」内にある「オーディエンス」を選択する
  3. 「作成」をクリックする
  4. 「オーディエンスタイプ」で「メッセージクリック」を選択する
  5. 絞り込みたいメッセージを選択して保存する

メッセージクリックで絞り込めるのは、過去60日以内に送信したメッセージのみです。60日を過ぎると絞り込み機能が利用できなくなるため注意しましょう。

メッセージインプレッション

メッセージインプレッションでは、過去に配信したメッセージを開封したユーザーを絞り込んでメッセージを送ります。設定手順は、メッセージクリックと同様です。

ただし、メッセージインプレッションを利用するためにはオーディエンスの数が50以上であることが条件です。また、メッセージクリックと同じく60日以内に送信したメッセージのみ絞り込みの対象となります。

チャットタグ

チャットタグは、チャットをしているユーザーに対して事前に付与しておいたタグをそのままオーディエンスにする機能です。タグは、「4月に来店したお客様」「イベント参加済みのお客様」など、自由に設定することができます。

■ユーザーにタグを付ける手順

  1. LINE公式アカウントの管理画面にログインして「チャット」を開く
  2. 画面左にある設定マークを選択して「+作成」をクリックする
  3. 任意の名称でタグを作成する
  4. 個別チャット画面または連絡先一覧からタグを追加する

■チャットタグを利用してオーディエンスを作成する手順

  1. LINE公式アカウントの管理画面にログインする
  2. 「ホーム」内にある「オーディエンス」を選択する
  3. 「作成」をクリックする
  4. 「オーディエンスタイプ」で「チャットタグオーディエンス」を選択する
  5. 絞り込みたいタグを選択して保存する
友だち追加経路

友だち追加経路では、LINEの友だち登録をした経路でユーザーを絞り込んでメッセージを送ります。

■友だち追加経路を利用してオーディエンスを作成する手順

  1. LINE公式アカウントの管理画面にログインする
  2. 「ホーム」内にある「オーディエンス」を選択する
  3. 「作成」をクリックする
  4. 「オーディエンスタイプ」で「友だち追加経路オーディエンス」を選択する
  5. 対象期間を設定する
  6. 絞り込みたい経路を選択して保存する

ただし、友だち追加経路オーディエンスで設定できるのはユーザー数が50以上となっている経路のみです。

ウェブトラフィック

ウェブトラフィックでは、LINE広告の効果を計測するタグ「LINE Tag」を活用してユーザーを絞り込みます。詳しい使い方は「LINE Tag」の公式Webページをご覧ください。

リッチメニュークリック

リッチメニュークリックでは、リッチメニューをクリックしたユーザーを絞り込んでメッセージを送ります。2023年8月にオーディエンスの新機能として追加されました。

■リッチメニュークリックを利用してオーディエンスを作成する手順

  1. LINE公式アカウントの管理画面にログインする
  2. 「ホーム」内にある「オーディエンス」を選択する
  3. 「作成」をクリックする
  4. 「オーディエンスタイプ」で「リッチメニュークリックリターゲティング」を選択する
  5. 絞り込みたいリッチメニューを選択する
  6. 期間タイプ(変動・固定)を選択する
    • 変動:集計を行う日の前日までを対象として設定する(10〜18日間)
    • 固定:開始日と終了日を指定して設定する(最長366日間)
  7. アクションを設定する

リッチメニューオーディエンスで設定できるのは、ユーザー数が50以上となっているリッチメニューのみです。

リッチメニューインプレッション

リッチメニュークリックは、リッチメニューを表示したユーザーを絞り込んでメッセージを送る機能で、こちらも2023年8月に追加された新機能です。設定手順は、リッチメニュークリックと同様です。

まとめ

LINE公式アカウントは、あらゆるビジネスにおいて高い効果が期待できます。特に特徴的なのが開封率の高さで、一般的なメルマガの開封率の平均が3%なのに対し、LINE公式アカウントの開封率の平均はなんと60%です。

「すでにLINE公式アカウントを活用しているけど開封率が低い」と悩んでいる場合は、自社の業種に合わせて配信の時間を変えたり絞り込み機能を活用したりしてみましょう。

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